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- 葡萄酒とシンガーソングライター -

~2007.10.14 cabotte~





秋に染まった東京はすっかり冷え込んでいて、夕方を通り越しすでにそこには夜が訪れていました。
霧雨が降るなか渋谷の裏路地を歩き、お店に到着したのは開場時間の少し前。
桜丘町にある、カウンターだけの隠れ家的なワインバーcabotte。
cabotteで大志さんが演奏するのは今年の春以来で今回が2回目。
だけど私はこのお店でのライブが特に好きです。
そこにあるのは大志さんの歌声とギターの音だけ。
おそらくどの空間よりもシンプルに、大志さんの音楽に触れられる場所だと思う。
それってとても贅沢な事の様な気がする。
だから私はこの場所で流れる時間がとても好き。

開演時間の19時を少し過ぎたところで、大志さんがステージに登場。
ステージと言っても、そこは客席と繋がったカウンターの一番奥のスペース。
こんなに身近に歌声が聴けるのもこのお店だからこそ。

大志さんが最初に口を開いて歌い出した1曲目は「Beautiful View」
今日はとても澄んだ歌声。「Beautiful View」がいつもよりも爽やかに聴こえる。
とても優しい表情で歌い上げてる。その表情を見てるだけでもココロがやわらかくなる。
メロディーと共に流れてくる言葉達も、今日はゆっくりとココロを溶かしてくれる。

譜面をパラパラとめくって2曲目に大志さんが選んだ曲は、友部正人さんのカバーで「風の吹く日には」
大志さんの解説によるとCD音源にはなっていなくて、ライブビデオに入ってる曲だそうです。
調べてみたところ、「風の吹く日には」は友部正人さん作詞・ハシケンさん作曲の共作みたいですね。
今月の10月24日に発売するハシケンさんのアルバムにもこの曲は収録されるそうです。
一応突っ込んでおくと、歌い終わった後「風の吹かない日には」って大志さん紹介してました。
大志さん、自身の曲とタイトルがゴッチャになってます(笑)
この曲は友部正人さん独特の個性的な詞の世界が印象的でした。

そのまま静かに歌い始めた3曲目は「One Hundred Piece of Love」
メロディーだけでもせつなくなってしまう曲。
その詞の世界にも耳を傾けたら、さらにせつなくなってしまいます。
正直「せつない」それ以上にどう言葉で表現したらいいのかが今はわかりません。
だけど、この曲を聴いているとココロが揺さぶられてしまいます。

ここでのMCは毎年恒例の金木犀の話題に。
余談ですが、我が家の庭先では銀木犀の花が今満開です。
出掛けに思わずその香りに足を止め酔いしれてしまいました。ちなみに金も銀もその甘い香りは同じです。
違うのは花の色が金木犀はオレンジで銀木犀が白ってことかな。
その香りがいつまでも記憶に残っていて、電車の中では「キンモクセイが風に舞い上がる♪」
ずっとこのフレーズが頭を流れていました。
やっぱりこの季節はこの曲ですよね。そんなわけで4曲目は「午後の自転車」を歌ってくれました。
この曲はお客さんの誰かが事前にリクエストしていたみたいです。
本当は私もリクエストしようかと迷った曲。だけど、リクエストしなくてもきっと歌うよね。
そんな想いがどこかにあって結局リクエストしなかったんですけどね...
だから、聴けて嬉しかったです。

「最近あまり歌ってなかったシリーズということで...。」
そう言って歌い始めた5曲目は「さらさら」
やわらかくてふわふわしてるから、掌にそっとのせて暖めてあげたくなるような曲です。
インパクトみたいなものは正直ないけれど、ジワジワとココロに浸透してくる曲。
大志さんの歌声はこういう曲にもピッタリはまるんですよね。
声を聴いてるだけで安心感みたいなものを与えてくれる、
そんな魅力が大志さんの歌声にはある気がします。

ここでは会場のお客さんからリクエストが...
最近あまり歌ってなかったというよりも、まったく歌ってなかった曲をここで歌ってくれます。
6曲目は2nd シングルの「次の土曜日には」
聴いてるだけでなんだかとても懐かしい匂いがしてきました。
でも、ここでのMCでは「デビューシングル」と言ってこの曲を紹介していた大志さん。
誰も突っ込まなかったけれど、会場は少しザワザワ。デビューシングルは「がっかりするなよ」ですよ(笑)
だけど、1stアルバムの曲自体がなかなか聴けないので、他の曲達もいつか是非聴かせて下さいね。

お次は、クレジットには載ってないけど共作した曲という説明と共に、
E-Zee Bandの「Sing a Song for you」を歌ってくれました。
私昔この曲大好きだったんですよ。E-Zee Bandの曲の中でも特に好きな曲でした。
大志さんの歌声でこの曲が聴けるなんて夢にも思ってなかったので、心の中は一人舞い上がっていました。
家に帰って私が真っ先にした事は、E-Zee Bandのこの曲を聴くことでした。
だけど、大志さんの歌声で聴いた「Sing a Song for you」の方が一段と優しくてさらに好きになっちゃった。
これからも時々この曲を歌って欲しいです。私はもっと聴きたいです。聴けて嬉しかった...

MCでは久しぶりに塩谷哲さんのライブを見に行ったというお話し。
そこから塩谷さんにちなんでピアノや楽器の話題に。
そのまま歌い始めたのは「マリンスノー」
そういえば、この曲の歌詞の中ではピアノの事も歌ってますものね。
おそらくMCの話題に引っ掛けて、この曲を歌ってくれたんでしょうね。

歌い終わると「危ない気がする!」なんて言いつつも、大志さんはワインを頼んで呑んでいました。
今回は「葡萄酒とシンガーソングライター」ですものね...
やっぱりビールよりワインでしょ。

そして今回も朝崎郁恵さんのカバーで「十九の春」を歌ってくれました。
初めて聴く人の為にと、今回もこの曲の解説を丁寧にしていました。
今回も変わらぬ歌声を聴かせてくれましたよ。
まるで自身の歌のようにすっかり歌い慣れた様子でした。

その後10曲目に歌ってくれた曲は「恋」でした。
割とコンスタントに歌ってくれる曲だけど、やっぱり聴けると嬉しくなる曲。
安定した素敵な歌声を今回も聴かせてくれました。
ゲストと一緒に歌うことが多い曲でもあるけど、大志さん一人で歌う「恋」もいいものです。

ここでのMCはJ-WAVEの番組を聞いて影響を受けた大志さんが、大貫妙子さんの話題を。
その話しの流れから11曲目は大貫妙子さんのカバーで「突然の贈りもの」
とてもメロディーラインが綺麗な曲でした。
今日の澄んだ大志さんの歌声にとてもマッチする曲だったような気がします。
個人的には「訪ねてくれるまで 待っているわ」と歌いながら「元気でいるから 安心してね」と歌う
微妙な心理みたいなものにもココロ動かされました。

12曲目は前回も歌ってくれた新曲の「Sitting alone」
続いてリクエストの「ピアニシモ」も歌ってくれたのですが、
「このピアニシモって曲を書いた時の気分も、Sitting aloneを作った時の気分と
振り返ってみると似てる気がするね。10年経ってもあまり考えてる事は変わってないのかも。」
そんな風に大志さんが語った後に「ピアニシモ」を聴いたものだから、
今回はこの2曲をなんとなく比べながら聴いてしまいました。
どこがどうというのではなく、感覚的なものでそれは感じ取ることが出来たけれど、
いつもと少し違う角度から眺めた「ピアニシモ」は、ちょっぴり違った景色に見えました。
私はどちらの曲も好き。そこにある世界はいつまでも触れていたくなるぬくもりがあるのかも知れません。

間を挟む事なく、そのまま歌い始めた14曲目は「ハレー彗星が降った年」
「ピアニシモ」を歌った後だから、あいうえお順で譜面の隣にこの曲が並んでたのかな?
でも、この曲をライブで聴くのはすごく久しぶりの気がします。
キラキラした曲の世界は聴いてるだけで笑顔になれる一曲。
私にとっては、絶対に外せない定番曲の様な存在。お散歩には必ず連れて行きたくなる曲。
会場の一部では手拍子もおこっていましたね。
素直に今回この曲が聴けて嬉しいって思えました。
もっともっとライブでも歌って欲しいです。

ここでのMCでは告知を...
まだ詳細は決まってないけれど、タピオカライチナイトなるものも企画しているそうです。
プロデュースを手掛けるバンド達も参加してのイベントになりそうです。
楽しそうですね! 是非実現して欲しいものです。

そして、話しは変わって「Swallow and Blue」の曲に出てくるサニースワローの話しに。
サニースワローは1987年頃に活躍した競走馬。その馬について語っていました。
個人的な話しですが、ちょうどcabotteに来る前に家で「Swallow and Blue」を口づさんでたんですよね。
そうしたら隣に居た旦那が急に「なんでサニースワローなんだろう?」って言い出して、
「気になるなら本人に聞いてみれば?(笑)」なんて会話を当日してたんですよね。
偶然にもあまりにもリアルタイムな話題が出て来ただけに、ちょっと笑えました。
ちなみに一緒に歌詞に出てくる「ベティ・ブルー」の映画も、ちょうどサニースワローが
活躍した時代と同じ1987年に日本で公開された作品ですよね。
同じ時代背景の中で、物語りの中の二人の情景が膨らんでいく歌詞。私は好きだったりします。
そんなわけで15曲目では、この「Swallow and Blue」を大志さんが聴かせてくれました。

再び会場からリクエストを募って、歌ってくれた16曲目は「羽根」
今日は本当に久しぶりの曲だらけで、聴いてるだけで幸せになれます。
こうして形にとらわれずに、いろんな曲が聴けるのはcabotteだからこそなのでしょうが、
出来ればこれからもこんな風に、眠ってる曲達を今の大志さんの歌声で届けて欲しいものです。
ちなみに歌う前には「羽根」の曲が出来た時のエピソードなんかも話してくれました。
目に見えない不思議な力ってきっと存在するんでしょうね...

(ラストの曲の前に)もう一曲位... そう言って最近歌ってなかった曲を探す大志さん。
選ばれた曲は「君といた場所」
「あと5分 この手にふれていて」そんな出だしのフレーズが印象的なこの曲。
大志さんの曲にしては割とストレートな歌詞の曲。
でも、こういう曲も私は好きです。
優しいギターの演奏と共に、しっとりと聴かせてくれました。

「えっと、タピオカさんのライブはいつもこの曲で終わることになってます、Smile。」
最後はいつもと同じ「Smile」を歌って今回のライブも幕を閉じます。
正直言うと、あと数曲位は聴きたかったけれど、
今日はいつもの唄会とは違って、休憩なしで2時間歌い続けてくれたんだものね。
セットリストも大満足の内容だったし。
これからも、cabotteでのライブは定期的に続けて欲しいです。

そんな今回の曲順は以下の通りです。


曲順

1 .Beautiful View
2 .風の吹く日には(友部正人)
3 .One Hundred Piece of Love
4 .午後の自転車
5 .さらさら
6 .次の土曜日には
7 .Sing a Song for you(E-Zee Band)
8 .マリンスノー
9 .十九の春(朝崎郁恵)
10.恋
11.突然の贈りもの(大貫妙子)
12.Sitting alone
13.ピアニシモ
14.ハレー彗星が降った年
15.Swallow and Blue
16.羽根
17.君といた場所
18.Smile




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